セット間の休息と筋肥大の関係性!
T-LABO.パーソナルトレーナーの髙橋礎(タク)です!
今回はちょっと専門的なこと。
であり
結構、大切なこと。
ウエイトトレーニング愛好者の方はご参考ください!
今月も送られてきました!
JATI(日本トレーニング指導者協会)の会報。
筋肉、筋トレと言えばこの方
石井直方先生
(東京大学名誉教授・JATI参与)
パーソナルトレーナーの仕事を始めたときは、石井先生の書籍ばかり読んでおりました!
それくらい“圧倒的”な方と認識しております。
今月号にも石井直方先生の研究記事が掲載されていましたので、ちょっとだけ簡単にシェアしたいと思います。
バーベルやダンベルを使用したウエイトトレーニング。
そのセット間の休憩時間はどれくらいが効果的なのか?
以前にも説明したかもしれませんが、レジスタンストレーニングの目的には
筋力強化プログラム
と
筋肥大プログラム
が存在します。
詳しく説明すると・・・
筋力強化プログラムは『パワーリフタータイプ』と呼ばれ
90%1RM以上の負荷強度
2~4回程度/セット
3分以上のセット間休憩
*RM
(最大反復回数。1RMとはある重量に対して1回しか持ち上げれない運動強度のこと。90%1RMとは1回しか持ち上げられない重量の90%の負荷)
筋肥大プログラムは『ボディビルダータイプ』と呼ばれ
70~80%1RMの負荷強度
8~12回程度/セットの反復回数
1分~1分半のセット間休憩
次に、実験内容
トレーニング実践者を対象に
ベンチプレスやスクワットなど7種目
8~12RM×3セット×3回/週×8週間のトレーニングプログラム
を
セット間休息1分のグループ
セット間休息3分のグループ
に分けて効果を調査
その結果・・・
休息時間3分のグループのほうが休息時間1分のグループよりも
筋力も筋肉の増加量も多くなった
この結果、
トレーニング実践者においては
セット間休息時間は
1分程度ではなく3分程度とったほうが良いことを示唆している。
要因としては・・・
長い休息時間をとることにより2セット目以降の容量が大きくなり、トレーニングの質が向上するためであると考えられる。
次に、
セット間休息時間と筋タンパク質合成の関係について。
トレーニング歴5年以上の実践者を対象に、
レッグプレス・レッグエクステンションを
75%1RM×RM×4セット
セット間休息1分
セット間休息5分
の効果を比較。
こちらは図で↓
↑会報から引用
上の図のように、運動後のタンパク質合成の増加は、セット間休息時間によらず起こりますが、
0~4時間後のタンパク質合成の増加の程度は、休息時間5分のほうが1分に比べて、大きくなっているのが分かります。
mTORシグナル伝達系の活性化の程度も同様に5分休憩のほうが大きいようです。
(筋トレをするとmTORというたんぱく質キナーゼが活性化され「遺伝子DNAの転写→翻訳→タンパク合成」の流れが促進する。mTORが活性化するとタンパク質合成が上昇。逆に、タンパク質分解は低下)
しかしながら・・・・
長いセット間休息時間が直ちに推奨されるかというと、そう単純なことではないようです。
研究から、セット間休息時間1分と5分で1セッション(4セット)当たりの容量を比べると、
レッグプレスで約15%
レッグエクステンションで約20%
の差があります。
(休息時間5分群>休息時間1分群)
結局は、
トレーニング効果に影響を及ぼすものとは、
トレーニングの容量・質
であると考えられます。
*パーソナルトレーニング60分のセッション時間内で、セット間休息5分をとるというのも、無理があります。
まとめとして、
トレーニングの質を維持するためにも、セット間休息は2~3分程度
現在では、これが理想のようです。
今後のさらなる研究結果が期待されるところです。
(ピラミッド法などを用いて、強度を微妙に調節するなどして、容量を維持しながらセット間休息を1~2分に短縮した場合の効果を調べる研究など)
本日はこれくらいで。
また、この研究に関して新しい情報を入手しましたら、こちらでシェアしたいと思います!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
筋肉が増えればパフォーマンスは上がる?
T-LABO.パーソナルトレーナーの髙橋礎(タク)です。
ワタクシが取得しているトレーナー資格団体
JATI(日本トレーニング指導者協会)
から送られてきた冊子に興味深い内容が掲載されていたので、シェアしたいと思います。
『筋肉が増えればパフォーマンスが上がるのか?』
これだけでは語弊が生じますね・・・
もちろん高いパフォーマンスには『筋肉』は必要であります。
が、筋肉を大きくすればするほどパフォーマンスはあがるのか?
と聞かれれば答えは
NO
であります。
簡潔にまとめれば
筋力の増加よりも筋重量の増加が上回ってしまった場合にはスプリントやジャンプパフォーマンスが低下する!
とあります。
ではこの冊子に書かれている実践例を上げてまとめてみますね!
まずは・・・
1.典型的な筋肥大を目的としたトレーニング群(8~12RM×4セット)
2.最大挙上重量(1RM)を扱ったトレーニング群(1RM×5セット)
を実施します。
RMとは?
レペティション・マキシム(repetition maximum)の略で、1回が限界の負荷を1RM、最高5回繰り返せる負荷を5RMというように表します。
結果は・・・
もちろん『1』の群の方が筋肉量は増加。
しかし、
最大挙上重量(1RM)は1.2の両軍共に増加した。
このことから、
筋肉量の増加が必ずしも筋力の増加には繋がらないと言うこと
になります。
次に、
ボディビルダー、パワーアスリート、一般的なトレー二ー
の3つの群でみて行きます。
↑なんとなくこんなイメージで!
筋肉のサイズは、
ボディビルダー>パワーアスリート(67%)
ボディビルダー>一般トレーニー(88%)
以上のようにボディビルダーが圧倒的です。
しかし!
筋サイズあたりの最大筋力は、
ボディビルダー<パワーアスリート(62%)
ボディビルダー<一般トレーニー(41%)
となり
筋サイズあたりのピークパワーは、
パワーアスリート>ボディビルダー=一般トレーニー(58%)
となっています。
このことから、
筋肉が大きいことが必ずしもパフォーマンスアップに繋がらないと言うことが分かります。
(筋サイズあたりの数値ですのでそこらへんはお間違いなく)
さらにもう一つの実験結果。
ある若年男性がレジスタンストレーニング(筋肉に抵抗負荷をかけるトレーニング)を週3回、12週間行ったところ
筋力22%の増加
に対して
主働筋(筋肉運動の際に主となる筋肉)の活動量が29%増加
拮抗筋(筋肉運動の際に反対の動きをする筋肉)の活動量が6%減少
筋肉の体積は5.6%増加
となっており
筋力の増加は神経機能の改善が最も高く
筋肥大の影響は少ない!
と言えますね。
まとめ
『筋肥大のための典型的なレジスタンストレーニングは、中強度・多量のトレーニングが行われていますが、このようなトレーニングはピークパワーや筋サイズ当たりの筋力に有益ではない』
さらに
『神経系機能の活性化には高強度で行うレジスタンストレーニングが有効的で、軽負荷で限界まで追い込んでも神経系機能を活性化出来ないとされている』
以上
ボディメイクを目的としたトレーニング
と
パフォーマンスを上げるトレーニング
はメニューを一緒ではなく変えながら行わなければいけませんね!
今日はこれくらいで。
最後までお読みくださいましてありがとうございました!